DIY塗装の足場について
塗装業者に頼むまでには資金面が足りない、自宅塗装のDIYに興味があるなど、自分で塗装したいと思う理由は様々です。
そこで何より一番の問題が架設足場。
はしごや脚立だけでは、現実的に困難極まりない作業になると言っていいでしょう。
インターネットで検索すると、足場のレンタルや組み方を紹介するサイトなどが出てきたりもしますが、材料や用具・工具を揃えたり、組み立てにかかる手間や時間、さらに、自分で全て準備した場合は、作業後の保管場所も準備しておかなければなりません。
何よりも安全性を考えると、当サイトでは自分で足場を組み立てることはおすすめしておりません。
となると、足場だけ専門業者の足場屋さんに頼むことはできないのでしょうか?
足場屋さんにもよるでしょうが、個人の人でも応じてくれところは結構あります。
そこで、足場業者への依頼を有利に進められるよう、足場の知識をしっかりつけておくことが重要です。
家の外壁塗装の足場は2種類
単に足場といっても、外壁塗装の足場というのは大きく分けて2つ。
くさび緊結式足場(くさび足場)
くさび足場は塗装に最適で今主流の足場です。
呼び名が複数あり、ビケ足場や一側足場とも呼ばれます。
特徴は足を乗せる足場板の部分が広く、材料を置きながら塗装作業ができるので素人の方にもお勧めです。
ハンマーで叩いて足場全体が強固に組み上げられるため揺れないのもメリットです。
単管足場
一方の単管足場は、戸建ての外壁塗装では昔主流ではありました。
現在も一部の塗装業者さんが独自で組み上げるなどもしていますが、足を乗せる部分が単管パイプ2本のため、足を滑らせて落下する危険があります。
また材料を置くにはとても不安定で片手でつかまりながらの塗装作業を強いられる可能性もあります。
特に素人の方にはとても怖い足場と言えるので、この単管足場で組んでもらうのは避けてもらいましょう。
この単管足場にブラケットという金具を取り付け足場板を敷くという、ただの単管足場より作業しやすい足場もありますが、いずれもポルトで締め上げて組み立てられる足場なので揺れます。
素人の方だけでなく、今は塗装の職人でさえも敬遠される足場なので、やはりくさび足場でなければ作業できないぐらいに思っていた方が良いでしょう。
足場屋さんに工事依頼する7つのポイント
①3段で組んでくれるのか?
要は2段の高さで組まれると部材が少なく済むため、足場屋にとっては好都合ですが、仕事する側からすればちょっと大変になります。
良くあるのが地上から一段目までが異様に高い場合です。
ちょっとしたものに乗っからないと一段目に手が届かない状態になり、地上から上の作業は背伸びしたりしてつらくなってしまいます。
3段で組んでもらうと、地上から尾根の軒先の高さまで、一段目、2段目、3段目とそれぞれの高さがちょうどいい具合になるため、作業もしやすくなります。
特に素人さんでは、この辺注意したいですよね。
また一般の戸建て住宅の場合、境界が狭いことも少なくなく、ステップ(階段)を取り付けるスペースに余裕がないため、材料を持って自分で上り下りしなければなりませんが、もし余裕がある場合は取り付けてもらった方がいいでしょう。
塗装作業で労力を使う作業の一つが、この足場の上下の移動でもあります。
②メッシュシート
足場の周りに張り巡らされている塗料飛散防止用のネットです。
屋根塗装もするということですから、屋根より高く張り巡らされていなければなりません。
特に屋根の場合、ほとんど高圧洗浄する必要がありますから、その際の汚れた水がお隣などのご近所に飛び散らない意味でもとても重要になってきます。
ローラーを転がす際も、風があればそれに乗って塗料が飛んでしまいますからね。
そばに駐車している車にも注意です。
メッシュシートがあればまだ全然ましです。
屋根塗装の際も怖さがないです。
③強風時の対策
工事期間中ずっと風がなければいいのですが、強風になればシートをめくり上げるなどして足場などに巻かなければ外壁を痛めてしまうことにもなりかねません。
足場を組んだ翌日までに強風が吹いて穴を開けてしまったこともあります。
特に雨が降るとメッシュシートも風を通さなくなります。
そこで強風なんか吹けばより外壁への衝撃度は増します。
これは素人さん一人で巻き上げるのも結構手間がかかるかもしれませんね。
▼強風時の対策について
④足場組み立て&解体後のチェック
足場部材などの運ぶ最中などに、外壁やその他もろもろの物品に当たって、傷ついたり欠けたり壊れてしまうことも少なくありません。
うちの場合は今までに・・・
外壁の傷、植え木を踏んでしまった、猫侵入防止のプラスチックのもの、境界フェンス、室外機、屋根のひび割れ、床タイルのひび割れなど、足場の作業時に発生したと思われるであろうというクレームがありました。
心当たりのあるものからないものまで、だからこそ責任の所在をはっきりさせるためにも、足場組み立て前は、心配ならすべてに写真を撮っておいた方がいいかもしれませんね。
また足場を組む場所に、具合悪くテラス屋根やカーポートなどがある場合などは、アクリル板や波板の屋根を一時取り外す場合があるので、その辺も注意しましょう。
⑤作業車両の駐車スペースの確保
比較的大きいお家になるとトラック2台に分けて足場部材が運ばれてきます。
通常は道路上に駐車をしながら部材を運びながら作業しますが、問題はご近所への対応です。
特に住宅街になると、隣接していることも多くあるため、お隣の車の出し入れの関係で作業車両の駐車についても配慮が必要です。
足場組み立てや解体作業中においても、お隣の車など出し入れに支障がないよう、常に作業車両が移動できるように配慮をお願いしておきましょう。
通常は塗装業者に外壁塗装をお願いする場合は、この部分においてもすべて塗装業者が足場屋さんへのこうした指示をしてくれますが、足場屋さん単体に工事依頼するときは別です。
⑥ご近所への挨拶
くさび足場はカンカンとハンマーで叩くカン高い音がしますので、ご近所へのあいさつとともに一言伝えておいた方がいいでしょう。
またお隣との境界が狭いため、越境して足場を組まなければいけない場合もあります。
その場合も、通常はお隣に塗装業者が説明を行ってくれるのですが、足場屋さんに直接頼む時は自分で行う必要があります。
⑦足場の費用の目安
塗装業者の見積もりでは、一般的に足場代はシート込みで「平米数×1,000円~1,500円」ぐらいが目安です。
ただし取引き実績がない個人の方が対象となると、家一軒では20万円前後を見込んだほういいでしょう。
階段で上がらなければならないお家などの場合は加算料金が発生する場合もあります。
ご自分で塗装をする場合は、足場を組み立てている期間も長いでしょうから、日数的に延長料金などについても聞いておきます。
まとめ
足場と言うとただ組めばいいのような単純作業と思われがちですが、実際には様々な問題に突き当たります。
ぜひ自分で塗装にチャレンジする方は、このことを頭に入れて工事依頼をしましょう。