足場は家の塗装工事の基本です。
その昔、丸太足場というのがありました。
丸太を番線という針金の太いようなもので縛り上げて、足場を組み立てていました。
組み立てるのにはそれ自体が重く大変で(若かったためそう感じたのかも)、雨にぬれると滑りやすい足場でした。
木材のためそれぞれ太さにもばらつきがあり、直線的にまっすぐではないので、その上で作業することはそれほど意識していなかったものの、今と比べては相当作業しずらかった気がします。
今の足場は足場の上に材料を置きながら作業ができる足場です。
足場にも種類があります。
どの足場で塗装したら、特別よいものになるのかと言うのはありませんが、職人が作業しやすい足場と言うものはあります。
家の塗装は同じ場所を行ったりきたりします。
たとえば外壁を塗る場合、水洗い、養生、下塗り、中塗り、上塗り、養生はがしなど、ひとつの場所に対して、何度も行き来して作業することになります。
ぐらついて揺れる足場だったり、高さが不十分で届かない足場では、ひとつひとつの工程でのていねいな作業はできません。
足場は質のいい工事をするための基本です。
単管足場
単管という丸いパイプを2本抱き合わせて組み立てる足場です。
パイプ2本の上を足が乗るので、作業中も意識して作業しないと、パイプとパイプの間に足を滑らせてしまう難点があります。
塗料缶をパイプの上に乗せて作業すると言うことも、できなくはありませんが、バランスをとる都合上難しいので、今となっては作業しやすい足場とは言え なくなってしまいました。
足場がぬれていると大変滑るので雨がパイプに残っている日などは要注意。
近所にできるだけ迷惑がかからないように注意をしながら足場を組んでいます。
隣の家などが接近している場合など狭い場所に、好都合な単管足場。
隣の家に塗料が飛散しないように注意をしながらの塗装になります。
足場工事は職人同士のチームワークがとても重要。
隣の家が接近してると足場を組む際にぶつけて傷つけたりしないように一人一人が気をつけて作業します。
単管ブラケット足場
単管パイプにブラケットという金物をつけて、足場板を敷いてその上で作業する足場です。
単管足場がパイプだけなのに対して、単管ブラケット足場は足を乗せる板があるので、バランスがとれて作業しやすい特徴があります。
欠点は、ボルトを閉めて組み立てるので、しっかり組まないとゆれやすくなります。
クサビ(ビケ)足場
ハンマーを使って、ブラケットを差し込んで組み立てていく足場です。
単管ブラケット足場に比べて、足を乗せる板が幅広く、ハンマーでガッチリ固定して組むので、揺れも少なく住宅用の足場の中では、一番作業しやすいといえる足場です。
ハンマーで叩いて固定するときにカンカンと、音がするのが少し難点になるかもしれません。
屋根足場
勾配が急な屋根のときに架ける足場です。
ご近所の迷惑と足場の高さ
屋根塗装がある場合は、屋根の上まで組み立てることで、職人の落下防止と屋根の高圧洗浄の際に発生する水しぶきの飛散防止にもなります。
屋根塗装をする場合は必ず屋根上まで足場を組んでもらう。
隣近所が接近している住宅街も多い。屋根上まで組み上げた足場とメッシュシートで、高圧洗浄時の水しぶきの飛散を防止する。
よく外壁は塗装せず、屋根のみを塗装したいということで、その際の足場は必要なのか?と、悩む方もいますが、傾斜の勾配によります。
トタン屋根の場合は、高圧洗浄をしなくても研磨等の下地調整をすればいいので、屋根上の高さまで足場を組み立てる必要はありませんので、足場は必要ありません。
そもそも、トタン屋根は勾配がない家が多く、足場がなくても塗装は可能だからです。
コロニアルなどのスレート系の屋根の場合は、勾配はさまざまですが、勾配がないトタン屋根まではすくなくありません。
高圧洗浄によるお隣の家などへの水しぶきの影響を考えると、ほとんどの場合で必ず足場は必要になってきます。