カビ・藻によるサイディング外壁の傷み
外壁モルタル同様、耐久性に問題があるような緊急性はありませんが、
美観としては好ましくありません。
北側や、隣のお宅との境など、陽当たりの悪い面に発生しやすく、お庭など、植物が近くにあるとさらにカビ胞子がつきやすくなります。
高圧洗浄前のサイディング面です。
カビが発生しています。
湿気により、破風、サイディング壁に大量のカビが生じています。
サイディング目地などのシーリング「コーキング」の肉やせ・ひび割れ
サイディングのおもだった傷みは、
やはりボードとボードの継ぎ目の「目地シーリング」の傷みです。
北側より南側、東側より西側というように、
紫外線が強く当たる方角の外壁のほうがつよく痛む傾向がみられます。
ゴム状のものが継ぎ目をふさいで雨などの進入をふせいでいますが、ゴム自体を埋め込んでいるのではありません。
はじめはプライマーという付着をよくする接着剤を塗ったあと、歯磨き粉状のようにやわらかく練ったものを注入していきます。それが固まるとしっかりとしたゴム状になるというものです。
傷みの症状は、プライマー(接着剤)の不足が原因でシーリングがサイディングボード断面からはがれてきたり、シーリング自体のボリューム不足による肉やせなどがあります。
塗り替えの場合はシーリングを交換した後、その上から塗装をするため、紫外線が直接シーリングに当たらなくなるので、塗る前のむき出しのシーリングと比べて、断然に傷みの悪影響がすくなくなります。
紫外線を浴び続けコーキングのひび割れが目につきます。ボンドブレーカーという後ろの青いテープが見えてしまっているほど完全に割れてしまっている状態。
シーリングを撤去前の状態です。紫外線によって肉やせしてしまっています。新築時のボリューム不足も考えられます。
シーリングを撤去した状態。雨の侵入によって、中の金物が錆びてしまってました。
小さな切れ目でも水の侵入が考えられます。
新築時の密着プライマーが不十分なためコーキングが目地から剥離しています。
外壁サイディングボードの反り
ボードが弓なりに反ってしまい、手前にせり出している症状です。
力で押し込みビスなどで止めて反りを強制的に修復する方法もありますが、大体の場合反りがガンコのため、ビスのまわりに強力な力が加わって、ボードが割れてしまう可能性があるために、無理に反りを直すようなことはしません。
ボードが反ってしまったため、その反発力で継ぎ目(目地)から反りだしてしまっている状態。このまま放置しておくとサイディングが割れる可能性があります。
サイディングに反る力がかかり釘が打ってある場所に亀裂が発生していました。
釘まわりを中心に、サイディングボードの反りによりひび割れてしまっています。
外壁サイディングボードのひび割れ
年数とともに表面が劣化してくると、
目には見えない微細なひび割れが起きるようになります。
特に冬の寒い地方では、この微細なヒビに水分が吸収されると、氷になって体積が増えて「爆裂」というボードを破壊してしまう症状 を起こす場合もあります。
写真は施工上の理由でおきたヒビ(クラック)です。
モルタル外壁の場合と違い、サイディングの場合はこのようなボード自体のクラックは少ないです。
外壁サイディングの色あせ
塗料の色が飛んで、完全に色あせてしまっています。新築時の塗料の上塗りの塗りむらが色あせに繋がります。
ボード生産時の塗装の質も影響することも…。色あせを防止するために下塗りをしっかり塗ることが重要です。
写真だと、光の加減でわかりづらいことも多いので、イラストで表すとこのような感じです。
サイディングボードのチョーキング
塗装された外壁が紫外線や雨風に晒されることで塗装面の表層樹脂が劣化し、塗料の色成分がチョークのような粉状になって外壁の表面に現れて白っぽい粉が手につくことがあります。
白亜化(はくあか)と言われることもあり、塗装の寿命のサインといわれています。
洗浄のときに、この粉をよく洗い落とさないと、塗膜のはがれにつながります。
長年にわたり強い紫外線を浴び続けた結果チョーキングが起こります。チョーキングは高圧洗浄でしっかり洗い流します。
チョーキングが発生している外壁を高圧洗浄すると白い粉が汚水に混じって流れ落ちてきます。
チョーキングのトラブル
塗装6年目にして塗膜が弱り、塗膜が剥がれてきてしまったお宅の事例。
当時、水性シリコンエポサーフと言う下塗り材を塗装したのが原因だと思われます。
シーラーは「水のような」と形容されるようにサラサラとした塗料ですが、微弾性のサフェーサーはシーラーに比べると、ねっとりとした塗り心地。 密着力も高く、シーリング汚染にも効果があるとされていた塗料のため、これをメーカーが定めたマニュアルに沿って施工しました。
ですが、チョーキングは劣化した塗膜から浮き上がったものなので、
どれだけ丁寧に高圧洗浄しても塗膜がある限りは完全に取り除けません。
なので、その上から粘性のあるサフェーサーを塗ってもチョーキングに遮られて しっかり浸透せず、外壁に密着しないため接着剤の役割をキチンと果たせなくて、今回の塗膜剥離が起きてしまいました。
マニュアル通りの施工を行っても家の状況などで、このような弱点が後から分かる場合もあります。
もちろん、サフェーサーが悪いと言うわけではありません。
サフェーサーもチョーキングが起きていない家に塗装すれば高い密着力を発揮してくれる塗料です。
今回のような場合は、シーラーを塗装することによりチョーキングが取り除ききれていない外壁にも染み込んで、下地まで浸透し、次に塗装する塗料をガッチリと密着してくれる…と言うように、家の環境や状態などを考慮し、その家に適した塗料を使い分ける必要があります。